2022 常任委員会「総務委員会(大雪対応関係)」(2月24日)
雪国「北海道」、その対応・対策に課題!
今年の北海道の降雪は、昨年末に至るまでの雪不足から一転、2月には札幌圏を中心に2度に渡り大雪によ
る雪害が発生しました。2月の5日から6日の大雪に始まって、JRに至っては札幌発着全面運休が複数日に渡
り2度も実施されたことは、私たちにとっても近年まれにみる体験となったのではないでしょうか。
さらには、開通後も各自治体の除排雪体制が全く追いつかず、各地の道路幅員が極めて狭隘となり、悪路も
重なり道民の生活に大きく支障がでたのは否定できません。
そこで、今回の第1回定例会開催前に当たり、常任委員会(総務委員会)が開催され、そこで今回の札幌圏を
中心とした大雪への対応について、私自身が委員会の中で発言をしてきましたので、ご報告したいと思います。
総務委員会で発言を求める武田道議
今回の札幌圏を中心とした大雪は、今後においても同様の気象状況は
起こりえると考えるが、そこで、今回の大雪を北海道防災対策基本条例
に基づく「災害」として認識しているのかどうかを伺う。
(危機対策課長)
北海道防災対策基本条例では、災害対策基本法第2条第1項に規定する
豪雪による被害も災害としていることから、今回の大雪による大規模交
通傷害も災害として認識している。
大雪による被害が一番大きかった札幌市における交通傷害(特に道路狭隘による影響)は、札幌市内のあら
あらゆる方面への影響が大きかった。この間の札幌市との連携状況について伺う。
(危機対策課長)
札幌市に対し、随時、被害状況の確認や、2月7日開催の札幌市雪害対策連絡会議へ職員を派遣するなど、
情報共有と支援ニーズの把握を行ってきた。また、除排雪において、道管理河川敷地雪捨て場の受入容量の
増加やダンプトラックの手配を連絡協議会へ協力要請を行った。
確認ですが、道職員を派遣した2月7日の札幌市雪害対策連絡会議の時点で、札幌市も大雪を災害として認識
していたことでよいか。
(危機対策課長)
札幌市も災害として認識していたと思われる。ただ、札幌市では豪雪対策に係る災害対策本部のようなもの
は設置していないと認識している。
今回札幌市は、「人命にかかわる状況にない」との認識により、自衛隊の派遣要請しなかった。今年の1月
の降雪量がすでに182㎝と例年より多く、そこへ2月の大雪で道路状況が最悪となったことにより、救急車等
の到達遅れなどで人命にかかわる状況であったと言えるのではないか。
また、JRの除雪作業の遅れによる、数日間にわたる札幌発着全面運休は、全道へ大きな影響を及ぼした。
オミクロン株が猛威を振るう中、ただでさえ医療職場を含め人員不足が生じているにもかかわらず、通勤でき
ないことが人命にかかわってくる可能性を考えたら、やはり、私は自衛隊の災害派遣要請を行っても良かった
と考えるが、道の見解を伺う。
(危機対策課長)
豪雪時における自衛隊の災害派遣は、大規模な車両の立ち往生や独居世帯の孤立などによる人命救出援助が
必要な場合で、他に手段がないとの認識のもと要請している。札幌市とは、こうした状況確認をし、情報共有
を行った中で、結果として市からの要請がなかった。
また、JR北海道に対する協力や支援について確認したが、JR北海道から線路内作業は、安全管理上、自社
関係会社での対応が必要との回答から自衛隊を含め応援には至らなかった。
過去(1996年)に、北区をはじめ市内全域で大雪により自衛隊出動要請をした実態があるにもかかわらず、
今回はしなかった。今の答弁では理解に苦しむ。道としての見解になっていないと思う。
北海道防災対策基本条例では、防災対策が、自助、共助及び公助の効果的推進のため、各々の主体が適切な
役割分担による協働により実施され、市町村との連携なども定められている。今回の豪雪災害において、札幌圏
の各自治体との連携が不十分で、道としての役割も果たされていないと思うが、これに対する道の見解を伺う。
(危機対策課長)
道では、地域防災計画に基づき被害情報等を収集、把握することと
している。雪捨て場の確保支援や江別市への除雪支援など行い、市町
村との緊密な連携の下、可能な限りの取り組みをしてきた。今般の大
雪により、道民の皆様の様々なご意見があることも承知している。去
る22日に雪害対策連絡部会議を開催して、今回の対応を検証すること
とした。
災害というのは、総じて地震とかのように自治体をまたいで同時発生することがあるものだ。だからこそ一
番大事なのは連携だと考える。
連携を十分発揮するために、道の役割が非常に大切なことからも、きちんと今後の検証をしていただきたい。
札幌市の都市機能の麻痺は、全道に影響を及ぼすことから豪雪被害の素早い検証により、今後に備えるべき
と考えるが、道としての今後の対応について伺う。
(危機対策課長)
道としては、大規模災害時に地域全体で対応できるよう、国や札幌市、関係機関と連携し、今回明らかに
なった課題や影響を抽出し、整理した上で検証し次の発生に備え、機動的な初動体制や情報発信のあり方など
の対応策について検討することとした。早期に雪害対策を充実強化してまいる。
これから検証していくことは伺ったが、今期の冬以降ということではなく、現状をみれば今どうするのかが
非常に大事だと考える。現状の対応をどうするのか、決まっているなら内容含めお聞かせ願いたい。
(危機対策課長)
道では、冬期の雪害対策を図るために雪害対策連絡部会を、11月から3月まで設置している。その中で、今
回の一連の交通混乱等も踏まえ、しっかりと情報共有を図りながら対応を強化してまいる。
例年設置されている雪害対策連絡部会議では、今回の大雪対応は
できなかったという事実が判明している。今後に向けての検証は、
もっと素早くスピード感を持って対応していただきたいと思う。今
回の大雪に対し、災害としての認識が一致していたのであれば、何
度も申し上げますが、連携こそが一番重要であり、その連携を十分
機能させるのが道としての果たすべき重要な役割である。
このことについては、大変重要な課題であることから、知事にも
聞いていきたいと思うので、本会議での会派代表質問で質していく
ことを申し上げておく。
以上
以上が、2月24日開催の総務委員会における、私の質疑と道側の答弁となります。やはり、毎回感ずること
ですが、いずれの回答にも北海道としての明確な意思表示や積極的な姿勢、さらには今回は、雪国「北海道」
としての気概とプライドを、あまり感じることはありませんでした。
明日から始まる第1回定例会では、これらの課題も含め知事を追求していきたいと思います。